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六ヶ所核燃などをめぐる動き

2021年

2021/12/02
1/14
宮下宗一郎むつ市長:電気事業連合会による青森県むつ市の使用済み核燃料中間貯蔵施設共同利用案を巡り、「一事業者(関西電力)の再稼働の話と、私たちの中間貯蔵が関連するような論調があり、非常に困惑している。本来は全く関係がない」と述べた。
1/22
原告団:再処理工場の安全審査合格を受け、新訴訟を提起した(原告106名)。
1/22
核燃裁判:3つの準備書面を提出。
1/26
原子力規制委員会: MOX燃料加工工場の事業許可に対し原告団が2010年7月に提出していた異議申し立てに対し「棄却」を決定した(提出から10年以上経過している)。
2/9
日本原燃:MOX燃料加工工場の鉄筋腐食問題で、これまで腐食判明に加え、他の2本にも腐食が見つかった。2本とも規格値を満たしていなかった。
2/16
原告団:高レベル一時貯蔵施設の安全審査合格を受け、新訴訟を提起した(原告12名)。
2/22
日本原燃:低レベル放射性廃棄物搬入。玄海原発から1720本。
2/25
日本原燃の増田尚宏社長: 2月から原子力安全推進協会の支援を受けていることを明らかにした。同協会は原子力の産業界が2012年に設立した自主規制組織。再処理工場の完工とその後の運転を見据え、助言や評価、勧告などを行う。
2/26
電気事業連合会(電事連):プルサーマル発電の新たなプルトニウム利用計画を公表。計画の改定は、2010年9月以来。計画では21~23年度の3年間で、原発3基で計2.3トンのプルトニウム利用を想定。
3/1
電源開発(Jパワー):大間原発の運転開始時期を「未定」とする2021年度の供給計画を提出した。「未定」の届け出は12年度から10年連続。
3/2
東北電力:企業版ふるさと納税制度を活用し、青森県東通村の地域再生計画事業(2020~24年度)に総額10億円の寄付を申し出たと発表した。
3/3
日本原燃:再処理工場構内(屋外)で昨年11月に発生した水中ポンプ油圧作動油の漏えいについて、部品にできた横1ミリ、縦0.15ミリの傷により、羽根車を回すための作動油と、川から取り込んだ水との圧力のバランスが崩れたことが主な原因と判断した。
3/4
東京電力ホールディングス(HD):原発建設予定の青森県東通村に、5年間で30億円規模の資金拠出の検討が判明。東通原発は福島第1原発事故後に工事が中断、財政支援で良好な関係を維持する狙い。
3/7
さようなら原発・核燃『3.11』青森集会:ウェブ上で開かれ、県内各地で反原発・反核燃活動に取り組む市民団体や、福島県大熊町、南相馬市の関係者らがメッセージを発信し、原子力・核燃料サイクル政策の中止、施設の廃止などを要求し、青森県知事には県独自の安全性検証を行うよう求める決議文を発表した。
3/9
日本原燃:再処理工場敷地内で、全電源喪失を想定した冬季訓練を行った。
3/16
核物質管理センター:再処理工場?内の六ヶ所保障措置センターで火災が発生し、消火に当たった職員2人の顔などに放射性物質が付着。同センターは核不拡散を目的に、日本原燃から提出される試料の放射性物質濃度などを分析している。
3/16
使用済燃料再処理機構:日本原燃に委託する使用済燃料の再処理量や時期などを示した「実施中期計画」の認可を経済産業省に申請した。計画は2021年度から3年間。21、22年度の再処理量はゼロ、23年度は燃料70トンを処理しプルトニウム0.6トンを回収する見込み。
3/19
核燃裁判:「原子力安全規制の崩壊―新規制基準はフクシマの教訓をカバーしていない―」と題した準備書面を提出。
3/22
経済産業省資源エネルギー庁:MOX燃料を巡り、使い終わったMOX燃料をさらに再処理する技術を「2030年代後半」をめどに確立させる方針を示した。
3/24
日本原燃:低レベル放射性廃棄物埋設センターで、廃棄体のドラム缶をつり上げるクレーンのつり具の部品が変形したと発表した。
3/25
六ヶ所村:核燃料サイクル施設で重大事故時の住民避難や防護措置を定めた「村原子力災害避難計画」を策定。
3/30
日本原燃:2021年度の輸送計画を公表。返還ガラス固化体と使用済燃料の受入れは5年連続でゼロ。
3/30
日本原燃の増田社長:定例記者会見で、使用済MOX燃料の再処理は「技術的にできないことはない」との認識を示した。国が2030年代後半を目標に研究開発を加速させる方針。
4/2
日本原燃:再処理工場の前処理建屋で、安全蒸気ボイラー1基の機能が喪失したと発表。
4/9
4・9反核燃の日全国集会実行委員会:青森県知事に対して核燃施設等の中止を求める要請文提出。
4/13
日本原燃:再処理工場の完成に必要な「使用前事業者検査」に関し、放射線量が高く実施困難な場所での代替検査の考え方を今月中に提示すると明らかにした。
4/14
原子力規制委員会:柏崎刈羽原発の事実上の運転禁止命令を正式決定した。核物質防護不備を巡り、原子炉等規制法に基づき同原発での核燃料の移動を禁じる是正措置命令を出す。
4/28
東北電力:東通原発1号機で行う安全対策工事の完了時期を2021年度から24年度に3年延期すると正式に発表した。延期は5回目。
5/15・16
青森県を高レベル放射性廃棄物の最終処分地にしない条例制定を求める会:六ヶ所村内ポスティグ。
5/19
原子力規制庁: 2020年度に行った規制検査について各原子力施設の総合的な評定を発表。青森県の対象10施設全ての施設が安全確保や放射線管理などの「活動目的を満足している」と認められた。
5/25
原子直規制委員会:再処理工場の設工認の審査会合を開催。日本原燃は使用前事業者検査に関し、目視や実測による実検査ができない機器が約5300あったと説明。このうちコンクリートで密閉された小部屋「セル」にあり、高い放射線量などのため実測での検査が困難な機器が約2300あり、「各種記録を組み合わせることで検査は実施可能」との考えを示した。
5/25
梶山経産相:プルサーマル加速へ自治体支援を検討と(使用済燃料対策推進協議会で)。
6/18
核燃裁判:旧訴と新訴の併合審査が決まる。
原告側は4つの準備書面を提出し、実際の使用済燃料を使った試験により、再処理工場内に放射線レベルが高く近づくことができない機器・設備や場所が多数あると説明。適合性などを書面で確認するとした事業者の点検方法を批判し、耐震補強や使用前事業者検査を行うことは困難だと主張した。また、原子力規制委員会が審査で用いる「火山影響評価ガイド」の不備などを列挙し不合理性を指摘した。
6/18
原告団:海渡、伊東、中野弁護士による特別学習会を開催(青森市)。この学習会は編集後「核燃連続講座」としてYouTubeで配信。
6/23
原子力規制委員会:日本原燃・低レベル放射性廃棄物埋設センターが新規制基準を満たすとする事実上の合格証「審査書案」を了承した。埋設センターは操業中だが、原燃が埋設施設の増設を含む事業変更許可を2018年8月に申請した。
6/25
使用済燃料再処理機構:再処理事業費が5千億円増え、総額14兆4400億円に上るとの試算を公表。
6/28
青森県:2020年度に県と県内市町村が受けた電源三法交付金の交付実績を公表した。総額は121億697万円と前年度に比べ9億9293万円減少したが、15年連続で100億円を超えた。内訳をみると、県への交付額は前年度比1億7284万円増の32億7996万円、市町村は同11億6577万円減の88億2702万円だった。
6/29
日本原燃:2020年度決算を発表。売上高は1867億4700万円と前年度比約104億円の減収、売上原価は同約51億円減の1576億1300万円。売上高を事業別にみると、大部分を占める再処理事業が約1510億円、海外から返還されたガラス固化体を一時保管する管理事業約110億円、ウラン濃縮約144億円、低レベル放射性廃棄物の埋設処分約101億円。
7/9
日本原燃:再処理工場の放射線管理区域で、防護性能が低い保護具(マスク)を使っていた可能性があると発表した。
7/14
経済産業省資源エネルギー庁:プルサーマル発電で使い終わったMOX燃料をさらに再処理する技術の実用化に向け、日本原燃と国立研究開発法人・日本原子力研究開発機構(JAEA)に基盤的な技術の研究開発を委託したと公表した。同庁は3月、2030年代後半をめどにMOX再処理の技術を確立させるとの方針。研究期間は最長4年間。
7/20
条例制定を求める県民の会:条例制定に関する青森県三村知事の考えをただす14項目の公開質問状を提出。
7/21
リサイクル燃料貯蔵(RFS):2021年度としていた使用済燃料中間貯蔵施設の事業開始見込みを23年度に2年延期することを、むつ市と県に正式に報告した。
7/20
原子力規制委員会:低レベル放射性廃棄物埋設センターが新規制基準に適合すると認める審査書を決定した。3号埋設施設の増設を含む事業変更が許可された。
7/30
日本原燃::再処理工場の稼働へ向けた原子力規制委員会の工事認可審査で、申請対象となる設備約4万点の抽出作業が完了。
8/17
東海再処理工場:廃止作業の一環として、約2年ぶりに高レベル廃液のガラス固化を再開。廃止作業の完了まで70年、少なくとも1兆円の費用を見込む。
8/27
日本原燃:再処理工場で4月に発生したボイラー水漏れに関し、工具でハンドルを締めすぎたことが原因と発表。
9/13
日本原燃:高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センターの完工目標を、2021年度上期から1年延期し「22年度上期」とすることを決定し、原子力規制委員会に変更を届け出た。同施設は、追加の安全対策工事、使用前事業者検査などを終え、規制委の確認を得て「完工」となるが、新たに地下水排水設備の耐震補強工事が必要となり、完了までさらに時間を要すると判断した。
9/14
条例制定を求める県民の会:7月に青森県三村知事に提出した公開質問状に対する回答が知事の説明責任を果たしている回答となっていなかったため再質問を提出。
9/15
自民党総裁選に出馬する河野太郎行政改革担当相:政府が推進する核燃料サイクル政策の見直しに言及し、「六ヶ所村のように国策に協力してくれた立地自治体にもきちんと説明し、丁寧にその地域としっかり向き合う」と述べた。
9/24
核燃裁判:「実効性のない六ヶ所再処理工場の避難計画」と題した準備書面を提出。
10/4
東海再処理工場:作業に伴って溶融炉の中に堆積する金属の量が想定を上回ったことが確認されたため、ガラス固化体を作る作業を中止。ガラス固化作業は3度目の停止で製造されたガラス固化体は13本。
10/5
岸田内閣の萩生田光一経産相:「核燃料サイクル」を巡り、「これまでの政府方針に沿って取り組みを進める」と述べ、サイクル政策の推進を継続する考えを示した。
10/12
原子力規制委員会:日本原燃との審査において、共通地盤の問題で、次回の会合でしっかりした資料が出ないと、即中止すると宣言。
10/22
第6次エネルギー基本計画:閣議決定される。核燃料サイクル政策について「関係自治体や国際社会の理解を得つつ、再処理やプルサーマルを推進する」と従来路線を踏襲。プルサーマルで使い終えた核燃料の処理の方向性も時期を明示する形で初めて示したが、展望が開けているとは言い難い。
10/28
日本原燃の増田尚宏社長:再処理工場の設工認の補正申請時期について、「当初予定していた10月から12月にずれ込む」との見通しを示した。
10/28
六ヶ所村と六ヶ所村議会:電気事業連合会に対し、プルサーマル発電の推進を求めた。
11/1
青森県原子力防災訓練:再処理工場の重大事故に備え訓練が行われた。青森県、六ヶ所村、民間など約30機関の約710人が参加。住民避難などの対応手順を確認した。
11/8
萩生田光一経産相:青森県庁で三村申吾知事と会談し、「青森県を高レベル放射性廃棄物の最終処分地にしない」とする青森県と国の確約について、萩生田氏は「引き続き順守する」と強調。核燃料サイクル政策を堅持し、国が前面に立って国民への理解促進活動に努める方針を改めて示した。
11/12
日本原燃:低レベル放射性廃棄物埋設センターで3号埋設施設の本格工事を開始。全国の原発で発生した金属類、プラスチックなどの低レベル廃棄物をドラム缶に入れモルタルで固めた「充填(じゅうてん)固化体」を埋設する。2023年度の受け入れ開始を見込む。
11/25
日本原燃の増田尚宏社長:再処理工場やMOX燃料工場の設工認の体制強化に向け、構内の体育館を新たな拠点とし、役員クラスの統括責任者を配置すると明らかにした。設工認の審査で、原燃の説明や資料が原子力規制庁の要求レベルに達していないなどとする指摘を踏まえた改善策の一環。
12/7
青森県風間浦村冨岡宏村長:定例村議会一般質問で、原子力関連施設を含む企業誘致検討に向け調査を進めると表明した。村は誘致で得られる交付金や税収を災害復旧、役場庁舎移転などの財源に充てる考え。原発から出る高レベル放射性廃棄物の最終処分場の誘致は検討から除外。
12/8
青森県・原子力政策懇話会を開催:経済産業省資源エネルギー庁の担当者が10月に決定した第6次エネルギー基本計画の概要を説明し、核燃料サイクル政策について「サイクルの確立に向け、再処理工場やMOX燃料工場をしっかり完成させ、プルトニウムバランス確保などの課題解決に取り組んでいく」と堅持の方針を強調した。
12/11
条例制定を求める県民の会:「核のゴミいらない」県民集会を開催(青森市)。元福井県越前市議の山崎隆敏氏が講演し、計15基の原発を抱える同県の状況を説明、各種データから「原発を廃止しても地域の財政は破綻しない」と強調した。
12/22
日本原燃の増田尚宏社長:定例会見で、再処理工場などの安全対策工事に必要な「設計・工事計画の認可(設工認)」の補正書提出を来月に繰り延べる考えを示した。冷却塔に設置する竜巻防護ネットの液状化の影響評価や、申請書類に記載する内容の整理、申請するべき設備の明確化などに時間を要し、10月時点で「12月内」としていた補正申請が困難と判断した。
12/23
むつ市:リサイクル燃料貯蔵(RFS)が運営する使用済燃料中間貯蔵施設の「共用化案」などの論点について、親会社の東京電力ホールディングスと日本原子力発電の幹部に聞き取りを行った。市側と事業者側が現段階で「共用化案はない」との認識で一致した。
12/24
核燃裁判:準備書面(187) -六ヶ所設工認審査で、検査可能性に続く第二の重大問題が浮上
直下地盤の新調査データにより、ゆれを増幅することが判明- を提出。また、日本原燃から訴訟参加申立てが出された。