ホーム

私と青森

No.3 粥の汁、食べる?

2022/09/02

粥の汁、食べる?

「放射能から子どもを守る母親の会」の皆さんとのお付き合いも、36年位になります。

「かくねんまいね」の意見広告を出した時は、私も30代。子どもたちも小さく、10時頃集まって話していると、お昼になってしまいます。

「ある時、一品料理持ち寄りにしましょう」となりました。他の人たちはサンドイッチ、焼きそば、肉料理もあったかな。私は「ごまご飯」を持って行きました。実家(青森県平川市・旧尾上町)でお客さんが来ると、よく作っていました。もち米を混ぜ、すった黒ゴマ、さつま芋か栗を入れ、味付けは、砂糖、しょうゆ、酒。こんな田舎料理で良いのかなあと少し不安でした。

母親の会の人たちは、県外から来た人たちが多く、思いがけず「ごまご飯」は好評。その後「りんごなます」を持って行ったこともありました。

その頃からでしょうか、「津軽で生まれ育った私。私は私でいいんだ」と思い始めたのは。

ここ、2、3年前から「粥(け)の汁」を大きな鍋で煮て、小分けにしています。「粥の汁、食べる?」「食べる、食べる。」の一言で決まります。

「粥の汁」は、その家々で材料や作り方も違うと思います。我が家の「粥の汁」は、大根(我家の畑でとれたもの。大根の保存は、雪が降る前に畑の隅に穴を掘り、むしろ(・・・)の中に大根を並べ土をかぶせ、目印に棒を立てる。春まで食べることができます)、わらび、フキ(春、りんご畑の近くでおがって(育って)いた山菜を干して保存しておく)、豆類(金時豆、そら豆、青豆、黒豆等)は2日ぐらい水に浸しそのまま入れます。他に、人参、ごぼう、油揚げ、凍豆腐、こんにゃく。出汁は、デモの仲間から長年取り寄せている昆布、焼き干し、干ししいたけ、それに手作り塩麹と味噌。材料を5ミリ角に切り、大きな鍋で煮ます。材料があれば、1月末と2月末に作って仲間に届けます。

今年は雪が多く、コロナ禍の中で2月のデモも休み、家にいることが多かったです。それだけに、桜が咲き、リンゴの花が咲き、いろいろ花が咲き始めると「春が来た!」と嬉しくなります。

私が手伝いに行っているりんご畑は高台にあり、天気の良い日は、八甲田山、岩木山もきれいに見えます。近くには、ふきやわらびがおがっています。秋には栗を拾い、正月の栗きんとんや栗ご飯に入れます。(2022年5月)

 

倉坪芳子(弘前市)

編集部から:「放射能から子どもを守る母親の会」は、弘前市を中心としたグループ。1986年7月から毎月1回(200回目以降は偶数月の第4土曜日)、「かくねんまいね」のデモを続け、2022年6月末で309回目。https://kakumaine.exblog.jp/m2022-07-01/

 
粥の汁、食べる?